by 谷崎 聖子
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まるで古い建築のレリーフのような、優雅な曲線。 やわらかな毛糸が、 ふっくらと豊かな陰影を生みだす羊毛刺しゅうの世界。 羊毛刺しゅう作家高田豊香さんのきっかけは、 手芸好きのお友達と羊毛クラフトを 作っていたことでした。 原毛を特殊な針で刺していくと、 まるで刺しゅうのように見える羊毛刺しゅうの世界に夢中になります。 原毛と刺しゅう糸を組み合わせてみたり、 ビーズを使ってみたり・・・。 羊毛刺しゅうの作品の世界がどんどん広がっていきます。 それから刺しゅう作家さんの目にとまり、 刺しゅう展示会に出品され、 それから手芸メーカーのソフト開発のお仕事をされるようになったそうです。 高田豊香さんが大切にしていらっしゃるのは、モチーフ探し。 アイデアソースを探していたときに、 イーラーショシュのピロカバーと出会います。 密集する赤の糸、 そして曲線の豊かなモチーフの世界。 今ではコットン糸が使われているイーラーショシュですが、 元々は自家製のウールの糸を染め、 それで刺しゅうをしていました。 だからカロタセグの女性たちが選ぶのもこの深い赤、 そしてこの太い糸なのです。 カロタセグ地方イーラーショシュを、 運命的な出会いとまでに感じられた、高田豊香さん。 きっと、その刺しゅうのウール糸との組み合わせに、 何かをひらめかれたのでしょう。 「手元にくる前から、 ずっと頭の中に思い描いてきたこと。 それをカタチにする時がやっときた。」 そのひらめきとは、 イーラーショシュ図案を羊毛刺しゅうで表現すること。 布にそのまま針を刺す羊毛刺しゅうだからこそ、 表現できる細やかな立体感。 ぐるぐる回るバラに、チューリップ、 小さな芽の誕生など・・。 布に艶やかな赤のイーラーショシュの世界が広がっています。 高田豊香さんは、1/24~29まで 「ちいさな羊毛刺しゅう展」を開催されます。 場所は横浜元町の手芸雑貨店 Nelie Rubina(ネリー・ルビナ)。 冷たい北風をも吹き飛ばしてしまうような、 あたたかな作品の数々をご覧いただけるはずです。 高田豊香さんのブログはこちらです。 ユルリ 1/6(木)のNHK教育番組、 すてきにハンドメイドで講師として登場されます。 2011年福を呼ぶ開運しあわせグッズ、 洋風貝の口の小物入れもどうぞお楽しみに。 こちらで、テキストも立ち読みできます。 すてきにハンドメイド 2011年1月号 #
by tououzakka
| 2011-01-05 18:52
| Guest
トランシルヴァニアの西部カロタセグ地方。 ここでは美しい手仕事が今なお息づき、 人々の生活を色鮮やかに彩っています。 その手仕事の中で、 最も有名なものがイーラーショシュ。 村には今でも刺しゅうの図案師なる女性がいます・ 彼女の黄金の手にかかれば、 真っ白な生地の上を バラやチューリップが花開き、 小鳥が歌をうたう・・。 ハンガリー・メルヘンの世界が開けてきます。 赤い糸がびっしりと密集したような、ステッチ。 大らかで大胆なその刺しゅうからは、 素朴な民の夢や憧れ、願いが伝わってくるようです。 小鳥の口からは、 花が生まれて出てきます。 民間信仰によると、それは言葉を意味するそうです。 とすると言葉を話す鳥・・。 まるで、おとぎ話の世界さながら。 生命の樹は、世界の各地で共通するモチーフ。 上下対称にのびた木々は、まるで鏡のように 天と地のふたつの世界を表しているようです。 馬の足につける蹄鉄は、 幸運のシンボルと信じられています。 カロタセグ女性の手にかかれば蹄鉄も、 ハートのようにデフォルメされてしまうのです。 ピロカバーの表面の素材は、 かつて昔に栽培されたリネンを糸に紡ぎ、 それを機織で布にしたホームスパン。 そのしっかりとした厚みと素朴な手触りには、 しっかりとした手の技と時間が織り込まれています。 ちょうど同じサイズの枕が見つからなくたって、大丈夫。 着なくなったセーターやひざ掛けを、 中にぎゅっと押しこんでください。 イーラーショシュをはじめてみたくなったら、 手芸用品コーナーを覗いてみてください。 トランシルヴァニア産のイーラーショシュ用刺しゅう糸が、 見つかります。 イーラーショシュのピロカバーは、 こちらでお求めいただけます。 イーラーショシュの、 力強い刺しゅうに心ひかれたら。 にほんブログ村 #
by tououzakka
| 2011-01-04 03:11
手芸をする女性たちにとって、 まさに宝石のような輝きをもつものが手芸本。 70年、80年代に出版された、 ハンガリーの古い刺しゅうの本、図案集が入荷しました。 まずミネルヴァ書店のシリーズをご紹介します。 B3の上質な紙に、カラーで印刷されています。 刺しゅうの図案に加えて、テクニックの解説があるもの、 当時のファッションに取り入れられたイラスト入りのものもあり、 グラフィック的にも楽しめる内容となっています。 ハンガリー北西部の、オーストリアの国境にちかい ラーバクズ地方の刺しゅう図案集がこちら。 19世紀末~20世紀初めに 手芸の文化が花開いたラーバクズ地方は、 刺しゅうの一大産地となりました。 中でも有名なのは、左右対称のアウトライン・ステッチを主とする刺しゅうで、 ルネサンス文化の名残を強くとどめています。 色鉛筆で手描きされた美しい図案。 そのほかにも、 クロスステッチ、カットワーク、アップリケなどのテクニックも見られます。 こちらは別の出版社の図案集です。 A3サイズの普通用紙に、ひとつひとつ異なる図案が 手描きで描かれています。 ハートに小鳥の対称系モチーフもあれば、 1772年の古い図案には、 月や太陽のモチーフも見られます。 アール・デコのような シンプルなチューリップ・デザインも見られます。 こちらはウクライナとの国境近くの、 ハンガリー北東部のベレグ地方のクロスステッチ図案です。 クロスステッチは、刺しゅうのなかでも最も起源が古いものといわれています。 幾何学模様がそのモチーフの始まりでしたが、 このベレグの刺しゅう図案集では比較的に新しいもの、 30年代の都市文化の影響をうけて出来上がったモチーフを扱っています。 優雅なバラの模様が特に多く、 この時代独特の美意識が反映されています。 こちらは鳥や人物モチーフ。 ハンガリーの中でも、フォークロアが盛んなパローツの多彩な刺しゅうが、 カラー写真とイラストで紹介されています。 ローマ字や花模様のクロスステッチ、 繊維を数えて織物のように見せるストレートステッチ、 サテン糸で鮮やかな花模様を描くストレートステッチ、 ドットと花模様の組み合わせのカットワーク&ストレートステッチ、 ミシンでフリーステッチをするミシンステッチ、 クロスの縁始末を美しく仕立てる高度なテクニックのドロンワークなど・・。 さまざまな刺しゅうの技法が、パローツの刺しゅうの世界を表情豊かにしています。 ハンガリー、トランシルヴァニアの各地の伝統刺しゅうで、 インテリアを美しく彩る提案であふれた図案集です。 刺しゅうのテクニックのわかりやすい写真とともに、 当時風の流行へ伝統刺しゅうを応用させようとする試みが見られます。 おなじみカロタセグ地方のイーラーショシュ、 他にもウドヴァルヘイやラバクズのアウトラインステッチ、 カラードのサテンステッチなど・・。 80年代初めのレトロなインテリア写真も楽しめます。 ハンガリーや周辺諸国の刺しゅう図案が、 カラフルな色で塗られたクロスステッチ図案の本。 古いものから新しいものまで、 抽象的な幾何学模様から具象的な植物模様まで、 ハンガリーの伝統模様や周辺諸国の図案がまとめて、 ひとつの本となっています。 ハンガリーの多彩な刺しゅうを知る上で欠かせない、 レンジェル・ジュルジ著の刺しゅうの本「祖母の遺産」。 刺しゅうの歴史にはじまり、 刺しゅうの分析、図案、ステッチの図解、写真まで、 これひとつでハンガリーの刺しゅうを詳しく網羅できる一冊です。 ハンガリーの植物模様の刺しゅうは、 ルネサンスに起源をたどることができるといわれています。 貴族や教会の刺しゅうと農民の刺しゅうは、 それぞれに別の道をたどりながらも、 お互いに影響を与え合って発展していきました。 また刺しゅうのモチーフは、使われる用途によって変わります。 シーツの刺しゅう、クッションの刺しゅう、テーブルクロス、 革刺しゅう、チュニックの刺しゅう・・・など本書では項目別に分かれています。 古い刺しゅうのカラー写真や図案、詳しいステッチの解説などは、 多彩なハンガリー刺しゅうを知る上で欠かせない資料です。 これからハンガリー刺しゅうを始める方へ、 FOLK ART Transylvaniaから。 ハンガリーの多彩な刺しゅうの世界に、 魅了されたなら。 にほんブログ村 #
by tououzakka
| 2011-01-03 21:06
真っ白な雪に包まれたトランシルヴァニア地方にも、 新しい年がやってきました。 とびきりポップで懐かしいデザインの ヴィンテージファブリックを扱っております 東欧雑貨ICIRI・PICIRI(イツィリ・ピツィリ)。 次回は1/6(金)夜に、ハンドメイド特集を更新予定です。 森の彼方の地方トランシルヴァニアの、 素朴であたたかな手仕事をお伝えしています、 FOLK ART Transylvania(フォーク・アート・トランシルヴァニア)。 1/2(日)に、たくさんの新商品、新作をそろえて、 お待ちしています。 今年もみなさまに、 手仕事の楽しさをお伝えしたいと思います。 トランシルヴァニア発のICIRI・PICIRIの小さな窓を どうぞよろしくお願いいたします。 #
by tououzakka
| 2011-01-01 07:00
| shop info
12月のクリスマス前のこと。 フカフカの真っ白な雪で覆われた カロタセグ地方を訪れました。 まだ闇の中を朝一番の列車がゆきます。 目指すおばあさんの家は門が閉まっていたので、 電気のついていたお向かいさんの家の門をたたきます。 雪の道を歩いてきたため、家の中へと通してもらうと、 体がほっと暖かさでほぐれていくのが分かります。 カロタセグの宝といっていいのが、「絢爛の部屋」。 赤と白を基調とした花模様にペイントされた家具、 天井まで届くほどに積み上げられたピロカバー、 そしてたんすの中にしまわれた煌びやかな衣装の数々・・・。 今回はじめて目にしたのは、 麦わら帽子でした。 照明の光を浴びて、小麦色に輝く麦わら。 そして色とりどりのビーズ飾りに、 パーントリカと呼ばれる刺しゅうリボンが ヨーヨーキルトにしてあり、小さな可愛い頭部を飾っています。 「若いころは、これを被って畑仕事をしたものよ。」 と懐かしそうに帽子を手に取るおばさん。 カロタセグの女性たちは、農作業の服だって華やか。 たんすの引き出しをそっと開けて、 見せてくださったのはボンネット。 ネット編みされたものに刺しゅうが施され、 さらにスパンコールで飾り立てます。 普段はスカーフを被るので見えませんが、 こんなところまで余念のないお洒落。 「ねえ、こんなものを見たことがある?」 とカロタセグの女性の誇りは何といっても、ビーズの頭飾りです。 ヴィンテージ・ビーズがぎっしりと詰められたこの飾りは、 どれも自家製です。 後ろには、長い刺しゅうリボンが3本垂れ下がります。 かつて冬の大切な仕事のひとつは、 糸を紡ぐことでした。 フォノーと呼ばれる作業場では、 女性たちは各々に針仕事や糸を紡いだりしながら、 おしゃべりをしました。 そこに若者たちがやってきて、 仕事場がいつしかダンス場になっていく・・・。 かつての村の娯楽を、 ロマンティックな出会いの一部始終を見届けてきたのが、 この糸を紡ぎ棒だったのです。 若者が愛する娘を想って、 このような美しい仕事道具を生み出しました。 電車に乗って、 今度は別の地方へと向かいました。 フカフカの雪を踏みながら何もない原っぱを進むと、 ヒツジの群れに出会いました。 カロタセグ地方は、 門もデコラティブでまるで刺しゅうの図案のよう。 なだらかな曲線を描く植物のつるが、 木彫りで浮き彫りにされていたり、 鉄の門も、こんなにメルヘンチック。 人里はなれた村へと足を運んだのは、 他でもありません。 カロタセグ地方を代表する刺しゅう、 イーラーショシュに出会うため。 今は数少ないといわれる刺しゅうの図案描きの職人さんを 訪ねました。 おばさんが手にしているのは、 かつてカルバン派教会で飾られていたイーラーショシュのタペストリー。 教会を飾るタペストリーは、 カロタセグの女性たちの手で作られたもの。 大らかな曲線と、ハートやドット、チューリップやバラの 豊かなモチーフの世界が、素朴なやさしさで満ちています。 1965年に作られたもの。 このように日に焼けたりして大分古くなったので、 新しい注文があったようです。 ちょうど同じものを頼まれたけれど、 アンナおばさんは彼女流にアレンジを施したとか。 図案などは一切見ずに、 小さなモチーフの型紙だけを使って、 あとは自分の想像力で補います。 市販のクロスステッチ用の固いリネンクロスも、 洗濯を重ねるとぎゅっと目が縮んで、やわらかくなります。 漂白したため、色も真っ白に。 今度は、イーラーショシュの職人さんを訪ねます。 夏は教会のわきの小道で刺しゅうをしていたおばあさんは、 お菓子作りに励んでいました。 ちょうどクリスマスが近いせいで、 女性たちは大忙しです。 刺しかけの作品を見せていただきました。 こちらはヴィンテージのホームスパンに、 鮮やかな赤が浮かび上がります。 イーラーショシュのつなぎの、 レースのような編み部分を刺しているところ。 外の寒さも、家の暖かさで忘れてしまうようです。 あたたかな薪ストーブの家で、 スープの蒸気やオーブンから流れる香ばしいお菓子の香り。 村のクリスマスをおすそ分けしてもらったような旅でした。 足取りも軽く、雪山をさっと走り抜けて 家路へと向かいました。 イーラーショシュに心ひかれたら・・。 にほんブログ村 *この日の出来事を詳しく、 もうひとつのブログにて綴っています。 トランシルヴァニアへの扉 #
by tououzakka
| 2010-12-28 22:54
| 手芸の旅
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