by 谷崎 聖子
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日曜日の朝、 村の女性たちはミサのための準備であわただしくすごします。 たんすの奥から、取って置きの衣装を取り出し、 きれいに整え、そして昼食の準備に追われます。 11時になると、民俗衣装で身を整えた人々が教会に集まってきました。 黒い衣装は未亡人の女性たち、 原色の華やかなのは若い人たち、 白いビーズの冠をかぶっているのは年頃の少女たちです。 男性の革のベストは、この村に特有なデザインを持っています。 赤い革のアップリケ、サテンステッチの花模様は、 すべて村の革職人の男性が作っていたそうです。 カロタセグの若いカップル。 女性は赤い刺しゅうのブラウスに、赤いベスト、二本線の刺しゅうのエプロンを腰に巻き、 そしてビーズの冠をかぶります。 男性は、白いシャツに革の刺しゅうベストを羽織り、 白いエプロンに裾の広がったキュロットパンツ。 男性がエプロン、スカートのようなパンツをはくのは珍しいですが、 ハンガリーの大平原からここトランシルヴァニア西部に共通する形です。 エプロンのベルト部分には、 チューリップにみせかけて実はハンガリーの王冠が刺しゅうしてあります。 赤、白、緑はハンガリーのトリコロールカラー。 年頃の少女たちが集まり、おしゃべりをしています。 彼女たちをお姫さまに変身させるのは、 代々家に伝わった手作りの衣装に他ならなりません。 冠からひざまで長く垂れ下がった刺しゅうリボンは、 真っ白なプリーツスカートの上で揺らいでいます。 こちらは本国ハンガリー、マチョーと呼ばれる人たちです。 東ハンガリーの大平原地帯の衣装はおおらかで華やか。 特にマチョーのブラウスは、何メートルもの広い袖がぐるりと刺しゅうされていて見事です。 シュルツと呼ばれるエプロンは、花が密集してデザインされ、 大平原独特の表現力には目を見張ります。 こんなに美しい衣装なら、一度はマチョーの男性になってみたいものです。 カロタセグのビーズ刺しゅうの盛んな地方の女性たち。 原色のバラのプリントの組み合わせ、 そしてびっしりと密集したビーズの花もよう。 マチョーの男女の華やかさもそれに負けていません。 教会に、ひとりの女性の後姿がありました。 カロタセグの衣装の中でももっとも美しいムスイと呼ばれる、オーバースカートです。 すそを折り返したその形は、まるで折鶴のような美しさ。 昔は普段着だったので、刺しゅうもずっと控えめでした。 青いイーラーショシュの教会に集まった、 それぞれの地方を代表する民俗衣装たち。 やがて厳かにミサが終わると、 人々は静かに部屋を去っていきます。 私たちは、その土地の風土に見合った衣装を作り、 それぞれの個性に合った装飾を工夫に工夫をこらして生み出してきました。 それぞれの民族の美意識を、 これほどまでに鮮やかに映し出す鏡はないと思います。 伝統の持つ力の素晴らしさを、 この小さな村の教会の中で心から実感したひとときでした。
by tououzakka
| 2011-09-17 19:04
| 手芸の旅
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