by 谷崎 聖子
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秋晴れの空の下、 うす紫色のイヌサフランでいっぱいの原っぱを過ぎて、 カロタセグ地方の村にやってきました。 目指すは木製のとんがり屋根の教会。 空の青に、どっしりとした白壁の教会が鮮やかに浮かび上がります。 その回廊に入ると、石造りのひんやりとした空気がたちこめます。 1805年に作られた、空色にペイントされた扉をひらいて中へ。 空色の説教台、そしてベンチや壁をおおいつくす手仕事。 イーラーショシュの赤と、バグダラーショシュと呼ばれるカットワーク(ハーダンガー)刺しゅうの白。 手仕事のぬくもりが暖かく包み込むようです。 二階席にも古いタペストリーが惜しげもなく、飾られています。 教会は村の文化的中心地。 誕生、結婚、葬式・・・、人生の大切な区切りを常に彩ってきた舞台でもあります。 そのため、村の女性たちはその信仰心、忠誠心を手仕事にこめて、 とびきり美しく飾り立ててきました。 村にかつて住んでいた刺しゅうの名人、 そして図案描きの名人。 いまは亡き人々の作品が見られる展覧会のようなもの。 ベンチの棚に、賛美歌ケースを見つけました。 ひとつはイーラーショシュ、もうひとつは編みクロスステッチ。 聖杯がデザインされています。 布の繊維を断ち切り、 そこを糸でかがり縫いながら透かし模様を生みだしていくバグダラーショシュ。 ルネサンス起源の植物モチーフに、 聖書の言葉が刺しゅうで刻まれてあります。 白い空間を、さらに白いステッチで埋めていく。 小さなステッチの集まりが、まるでモザイクのように 花に立体感を生み出しています。 パイプオルガンがそびえる二階席を彩る、 透かし刺しゅうのタペストリーは圧巻です。 20世紀中ごろの都市文化の影響が見られるモチーフ。 イーラーショシュからバグダラーショシュ、 ふたつの流行が代わる代わる波のように立ちながら 今日に至ったのでしょう。 教会の丘を降りると、 ひとりの少女が美しい晴れ着に身をまとい立っていました。 赤い刺しゅうブラウスにベスト、 白いエプロンが若い女性の清潔さをあらわす色として好まれてきました。 そしてこのビーズの冠こそが、 カロタセグの女性たちの誇りとして鈍い輝きを放っています。
by tououzakka
| 2011-09-13 03:56
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