by 谷崎 聖子
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カロタセグのある地方では、 洋服を意味するRuha(ルハ)がそのままエプロンを指すほどに、 女性にとってなくてはならない一部でした。 かつてエプロンの仕立て屋さんが、 その人の好みに合わせて3つまたは4つに生地を分けて 裁断したようです。 その生地と生地とをむすんでいたのが、 クテーシュと呼ばれる刺しゅうです。 最も古い形は、ギザギザ模様のシンプルな刺しゅう。 漆黒の中に浮かび上がる「ふたつの茂み」に、 「つぼみ」の白が加わります。 ウェスト部分には、 蜂の巣のように細やかなスモッキング刺しゅう。 Xのモチーフは、「テーブルの足」もようと呼ばれる 最もよく知られたもの。 エプロンの両角には、 リボンで作られた「バラ」が飾られます。 中央には色とりどりの刺しゅう糸で、花芯があしらわれています。 シンプルな幾何学模様の後には、 植物模様のフリーステッチが取って代わるようになりました。 うすいナイロン素材の生地に、 シルクの刺しゅうがやさしい光沢を放っています。 大きなバラやカーネーションなどの植物もようが、 ウェスト部分と、二本のラインにびっしりと埋められています。 もともとのエプロンの接続部分は、ここではもう見られません。 二重のリボンと「垂木」と呼ばれる二つの窓。 羽根のように軽いナイロン素材は、当時は珍しく貴重な素材だったのでしょう。 豪華なエプロンに仕立てられています。 シルクの糸が使われる前に珍重されていたのは、 ハラースと呼ばれる毛糸の刺しゅうでした。 19世紀末、20世紀はじめまで、 エプロンやブラウス、ベストなどあらゆる装飾に使われてきました。 細やかなスモッキングの点が、 鮮やかな模様となって浮かび上がっています。 シルクのリボンに負けない、この鮮やかな発色の糸こそが カロタセグの女性たちの憧れだったのでしょう。 細やかなプリーツの黒い生地は、 サテンのような光沢をもつ上質のコットン素材。 まるで虹のように、ウールの糸だけで魅せる結び目部分。 固い厚紙のようなものが入れられ、丁寧に仕立ててあります。 ブルーに紅色のバラの刺しゅうリボン。 パーントリカと呼ばれるリボン飾りのエプロンは、 祝いの日に装われる最高級のお洒落でした。 鮮やかなピンク色が目をひく、二つの結び目のエプロン。 素材はうすいウール生地です。 深く濃いウール糸のエキゾチックな魅力が、 この鮮やかな配色から香ってくるようです。 大きなバラがどこか生き物のようで、 チューリップとすずらんの素朴な刺しゅうが、微笑ましい。 農村で暮らす女性たちの手で生み出された刺しゅうには、 こういう粗野な魅力が満ちています。 カロタセグでは古いプリント柄のスカーフが有名ですが、 バラの地模様のついたシルクのスカーフには 何てエレガントな気品が漂っていることでしょう。 ウール糸の刺しゅうのダイナミックさに圧倒されます。 柄をそのまま図案として、 色鮮やかな花束が生まれました。 シルク糸とウール糸とどちらがお好きですか? その時代の嗜好、その時代の素材によって 手仕事の形もまた変わってきます。 エプロンひとつとっても、 カロタセグの多様な手芸のあり方が浮き彫りにされるようです。 こちらの衣装は、 トランシルヴァニア刺繍展示会にて出展される予定です。 7/7~18まで art-bookshop&cafe神保町店(東京) 7/22~25まで シロツメ舎(大阪梅田)
by tououzakka
| 2011-03-10 23:07
| カロタセグのきらめく伝統刺繍
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