by 谷崎 聖子
カテゴリ
全体 shop info ICIRI-PICIRI Transylvania 手芸の旅 イーラーショシュ exhibition カロタセグのきらめく伝統刺繍 handmade Guest my favorite Trip 未分類 最新の記事
My Shop&Blog&・・・
ヴィンテージ雑貨のお店
東欧雑貨ICIRI・PICIRI フォークアート、手芸のお店 FOLKART Transylvania トランシルヴァニア発ブログ トランシルヴァニアへの扉 ICIRI・PICIRIのリメイク作品が買えるShop twelveseventeen echo フォロー中のブログ
girlish*style iinn4 twelve seven... めがねの箱の中 Repka Olejka* Naki's MIEKO SUZUK... mielilei twelveseventeen マゼコゼ日記 iroiro ロシアから白樺細工 丁寧な生活をゆっくりと echoの日常便り IgaTago 以前の記事
2018年 09月 2018年 08月 2017年 05月 2016年 10月 2016年 02月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 03月 more... ライフログ
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
トランシルヴァニア地方の 森のなかにひっそりとたたずむ村、上ラーコシュ。 昔から変わらないのどかな生活、 伝統が息づく村としても知られている。 機織をするというエルジェーベトおばさんの家を訪ねる。 静かな家の中を満たす、 ガタンがタン・・・という機織の響き。 白髪のおばさんよりももっと、 年季が入っていそうな深い木の色味。 日当たりのよい部屋のなかには、 アンティークミシンが置かれている。 ちょうど民俗衣装のブラウスを仕立てているところ。 たんすの奥から、 大切そうに見せてくれたのは、 おばあさんの代から伝わるという アンティークの刺しゅうクロス。 小さな四角で区切られたなかには、 数々のテクニックが凝縮されている。 当時の女学生たちが練習用に使ったもの。 それでも、ひとつの作品といっていいほどに 凛とした迫力が感じられる。 1899年に製作したもの、 モノグラムもしっかりと刻み込まれている。 白いカットワークと赤の刺しゅうが美しい。 こちらは華やかなクロスステッチ。 100年以上たっても 色あせない、美しい発色はウール糸のせい。 1894年、フェレンツィ・イロナさん製作のタペストリー。 ひとつひとつの布の繊維を拾って縫われた、 その花束には、色と立体感による深みが加わる。 モノグラムに、植物モチーフ、 幾何学デザインまで・・・ まるで刺しゅうのモザイクさながら。 いくら縁がぼろぼろになっても、 いくら色がにじんでしまっても、 その作品の美しさは決して色あせない。 19世紀末から20世紀のはじめにかけて、 トランシルヴァニアで刺しゅうの文化は黄金時代をむかえる。 数々の博覧会、展示会で 女性の手仕事は一般の人々に限らず 芸術家たちの目をもを圧倒した。 それは女性たちに収入をもたらすばかりでなく、 数少ない彼女たちの自己表現の場であったに違いない。 村では嫁入りのときにも、 シーツやピロカバー、タオルや穀物用の大袋にいたるまで、 嫁入り道具一式をすべて 自分たちの手で作り出さなければならなかった。 エルジおばさんは町で仕事をしていたため、 若い頃は、たくさんの作品を生み出す余裕はなかった。 仕事を退職してからは、 お祖母さんから母親からの遺産に囲まれて、 その遺産を守っている。 今日もひとり機を織り、 しずかにミシンを踏む。 アンティーク刺しゅうの ぬくもりを感じていただけたら。 にほんブログ村 *この日の出来事は、 もうひとつのブログにてご覧いただけます。 トランシルヴァニアへの扉
by tououzakka
| 2010-06-29 07:09
| Transylvania
|
ファン申請 |
||