by 谷崎 聖子
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おととし夏の展示会の後にお知り合いになった、 ある編集の女性。 トランシルヴァニアの伝統刺繍、イーラーショシュに興味をもたれて、 私は展示に使ったアンティークブラウスを手にお会いした。 そして短い時間の間に、 私が出会ったトランシルヴァニアの手芸のこと、 そしてイーラーショシュの魅力などをお話したように記憶している。 それから、秋から冬にかけて、 自分ひとりでイーラーショシュの本を作ろうと思い立った。 80年に出版された「カロタセグのイーラーショシュ」と、 あれから30年以上たった今のイーラーショシュ。 著者シンコー・カタリンさんの論文を日本語に訳し、 それに新しい注釈や項目を付け加えて・・・。 そこまで進みはじめたときに、ふと手が止まった。 現地のハンガリー人に伝えることと、 この文化を知らない日本人に伝えることとのギャップ。 その溝をどう埋めたらいいのか分からない。 時間がたつにつれて、はじめの構想が揺らぎはじめて どうにも前に進むことができなくなった。 そんな冬頃、 再び編集の方からお声がかかった。 「この企画を出してみようと思うのですが・・。」 春が近づいた頃、 私は心機一転を図るためにひとり旅に出た。 ちょうど異国の地を歩いている頃、 「企画が通った。」との連絡があった。 やがて、私はひとり旅を終えて日本へ上陸。 東京で編集者との打ち合わせを、 まだぼんやりとした頭で進めていた。 再びトランシルヴァニアへ戻り、 春から夏、秋にかけてひたすらに製作に専念した。 夏には一ヶ月、仕事を休んで、 カロタセグの村でよりイーラーショシュを身近に感じられる環境で、 製作をしながら、旅をしたりした。 やがて、締め切りの冬に作品をすべて送り終えた。 1月には二日間にわたる写真撮影を終えてから、 その一年がかりの本は最終のチェック段階に入っている。 出版まで、あと一ヶ月とすこし。 企画会議の際に、イーラーショシュの作品を送ってほしいとの連絡を受けて、 急遽、実家の母親に作品をお願いした。 お店のキット作品を、誰よりも早く刺繍をはじめ、 そしてたくさんの人に伝えようと心を砕いてくれた。 「私は、何度やっても上手くならないのよ・・・。」 母は人より不器用を自称していて、私もそれをよく知っている。 太くゆがんだ縫い目は、それでもしっかりと大地に根を下ろし、 赤い花を咲かせていた。 とても母らしいイーラーショシュは、 華やかなUSAコットンプリントのバッグに仕立てられたもの。 このバッグが、私を前におし進めてくれた。 イーラーショシュは、その人らしい作り方、 そして使い方をされてこれからも愛されていくに違いない。
by tououzakka
| 2013-04-24 16:32
| イーラーショシュ
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