by 谷崎 聖子
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春がやってくると心引かれるのが、白いブラウス。 今では特別な時に着られる白いブラウスも、 昔は農村の日常着でした。 こちらは手織りの麻布の時代がすぎ、 既製のコットン布が手に入るようになってから作られたもの。 袖が縦長に身頃につけられ、 大きく広がった衿部分にギャザーを寄せてできた スモッキングブラウス。 トランシルヴァニアからモルドヴァ地方まで 広く見られるタイプのブラウスですが、 実はルネサンス時代にはヨーロッパ全体で着られていた形なのです。 刺繍はパイピングされた衿の部分と、 スモッキング部分、そしてカフス部分だけ。 民俗衣装が特別な祝日のための衣装とされるようになってからは、 こうした日常着らしいシンプルな作りのブラウスは、 なかなか見られることがありません。 カフス部分の花模様は、比較的新しくできた刺繍のようです。 刺繍がより華やかに複雑になったのは、 祝日のための衣装である証拠。 刺繍の色が女性の年齢を表すことが多いのですが、 この青い刺繍も既婚女性のものでしょう。 正面のスモッキング刺繍の層の厚さも、 衣装に特別な意味合いを与えています。 袖の継ぎ目のところには、強調された青いライン、 そして細やかなカットワークの刺繍が鮮やかに映えます。 袖と身頃の接ぎ合わせた部分も、 ボルハウグラーシュ(飛ぶ蚤)と呼ばれるステッチが加えられます。 一般に、ブラウスに残る刺繍が一番起源が古いといわれます。 布と布のつなぎ目や、ギャザーを寄せた部分を縫い留めるという機能に、 いつしか装飾性が増してきました。 より美しい衣装を作りたいという欲求が、 この小さな装飾部分に数限りないヴァリエーションを生み出すことになったのです。 女性のブラウスより、現存する数が少ないのが男性のシャツ。 中でも、子どもの衣装は珍しいです。 かたい手織り布の糸の繊維を一つずつすくったストレートステッチ。 衿と肩から袖へとつづく長いラインの、 細やかな幾何学模様の美しいこと。 小さな男の子が、母親の手作りのシャツを着て 日曜のミサに通っていたのでしょうか。 都市の影響をうけて、既製の染めやプリント布、 そしてリボンやレースが取り入れられるようになっても、 やはり手刺繍のブラウスは衣装そのものに品格を与えているようです。
by tououzakka
| 2013-03-18 19:32
| Transylvania
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