by 谷崎 聖子
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カロタセグの村の祝日は、 朝早起きをして身支度から一日がはじまります。 教会の鐘の音が聞こえてくると、 目にも鮮やかな衣装に身をつつんだ村人たちが いそいそと教会へと向かいます。 その様子は、ファッションショーさながら。 若い女性を一番うつくしく見せるのは、赤。 鮮やかな赤いバラのプリントのブラウスに、赤いベストとスカート。 かつては長い髪をお下げに結い、 リボンといっしょに背中にたらしていました。 腰にたれる赤いバラのリボンは既成のものも使われていましたが、 こちらは見事な手刺繍です。 同じ村の衣装でも、ひとりひとりが違うように衣装も個性で輝いています。 鮮やかな原色のプリント生地に、ビーズの輝きを加えるのが ナーダーシュ川流域の地方の特徴です。 小さな少女だって衣装を身にまとうと、こんなに立派です。 肩にびっしりと刺繍が凝縮されたブラウスは、 かつては若い女性たちが自らの手で刺繍をしていたといわれています。 ビーズ好きの女性たちは、 男性の帽子にもビーズの飾りをつけることを考えました。 赤い花がぎっしりと細かなビーズで彩られ、 風花のやわらかな綿毛がゆれています。 肩にまっすぐ刺繍が入ったブラウスは、 既婚の女性をあらわすもの。 年を重ねるにつれベストの色もシックになりますが、 刺繍の重みが伝わってくるような素敵な着こなしができるのは この年齢だからなのでしょう。 細やかなプリーツスカートは、ふっくら豊かなカロタセグの女性の腰を さらに美しく見せるもの。 「女狐」なんて面白い名前のついた、腰のスモッキング刺繍。 今ではビーズに変わり、この刺繍の作り手もいません。 ブロック状にならんだつなぎ目部分の刺繍は、 花や鳥など、カロタセグの装飾魂がぎゅっと凝縮されているよう。 こちらは別の村の衣装です。 白い刺繍がふちに施された袖の開いたシャツに、 プリーツのワイドパンツは、どちらも家庭で手織りされたリネンで仕立てられます。 女性のようにエプロンをかけるのが、昔のスタイルでした。 黒い革刺繍のベストは、 今は亡き革職人の手で刺繍されたものです。 幾何学模様のアップリケと、刺繍のおりなす深み。 密集した装飾こそ、当時の人々の憧れであり、美意識でした。 白樺の木で飾り付けられた教会の中。 16歳になる若い少女たちが、信仰を告白しています。 晴れの儀式を厳かにしているのは、やはり衣装。 黒いビーズの花もようのベストに、 パーントリカと呼ばれる豪華な刺繍リボンのエプロンをまといます。 シンプルな二本の刺繍のラインこそ、 エプロンの飾りの原型です。 伝統はつねにその時代に合わせて、動きつづけるもの。 カロタセグの衣装もまた、その土地土地の人々にあわせて、 別の形で伝承されていっています。
by tououzakka
| 2012-05-29 17:57
| 手芸の旅
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