by 谷崎 聖子
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今回の旅のひとつの目的は、 シンコー・カタリンさんとお話をすること。 彼女は唯一のイーラーショシュ研究家で、 1980年に「カロタセグのイーラーショシュ」という本を出版しました。 カロタセグ地方には、 何人かの指導的な女性があらわれました。 イーラーショシュが今日まで今のような形で伝えられているのも、 その人たちによるところが大きいのです。 カタリンおばさんの家に、 何気なくおかれたクッション。 彼女自身も図案を作ることができる数少ない女性の一人なのですが、 その母親から学んだと言います。 作りかけのイーラーショシュを見せていただきました。 図案は、キットCとして販売したものと同じです。 向かいあう小鳥とチューリップのデザイン。 小さなしわが刻まれたちりめんのような素材は、 手織りのホームスパンをさらに水につけて叩いて、 そうして生まれた伝統的な技術の賜物です。 糸でぐるりと輪を作り、 左手で糸を押さえてから針を斜め上に入れて進めます。 これを下向きにする人もいます。 図案はすべて一本線。 昔から図案職人さんは、つねに一本線を描いてきたからです。 イーラーショシュは二つの線にまたがる、 太いラインを作っていく刺しゅうですので、 一本線だとどこにあわせていいのかが難しくなります。 しかし、それだけに作り手の自由が広がり、 その小さな自由が作品の個性を生み出すのだとカタリンおばさんは教えてくれました。 イーラーショシュの講習会を夏にしたときに、 「ここは何cmほどですか。」「ここは何針ぬったらいいですか。」 こういう質問を多く受けました。 そんな時に、私は「適当で。」と答えましたが、 その適当という感覚こそがまさに「自分の感覚」なのです。 さらに、カタリンおばさんは言います。 「農村の伝統刺しゅうは、工業製品ではありません。 同じものが二つとないからこそ、素晴らしいんです。 この作り手に任された自由こそが、刺しゅうの素晴らしさなのですから。」 そんな風にして生まれたのが、イーラーショシュです。 作り手の嗜好や手のくせ、ぬくもりを伝えていくもの。 本物のフォークアート(農村の芸術)においては、そこが一番大切なのです。
by tououzakka
| 2011-10-15 21:30
| 手芸の旅
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