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エプロンは、トランシルヴァニアの民俗衣装にとって なくてはならないもの。 その証拠に、カロタセグのプリーツの巻きスカートの終わりの部分は、 いつもプリーツがそこだけ止まっている。 または、ありあわせの布がつぎ足されていることだってある。 昔ながらのファスナーのなかった頃の縫製のスカートは、 エプロンなしにははくことができない。 つまり、エプロンがあってはじめて衣装が完成する。 エプロンは、衣装の中でも顔であるといってもいい。 ひとつの共同体をしめす民俗衣装が、 そのひとりひとりの個性を思いきり表現できるのは、 エプロンのわずかな面積にほどこされる刺しゅうにほかならない。 ナーダシュ川のほとりの村々では、 色とりどりのビーズでびっしりと刺しゅうがされている。 ![]() 細やかなプリーツをしっかりと押さえつける、 スモッキング刺しゅう。 こまやかで複雑な幾何学もようが組み合わされた刺しゅうは、 まるで色あざやかな赤いベルトのよう。 ![]() むかし、クテーシュ(継ぎ目)と呼ばれるところには、 補強の意味もあって裏に厚紙を置いて、 簡単なステッチがほどこされているだけだった。 やがて、女性たちの創作心に火がついたのだろう。 そのつなぎ目に、いつしか色とりどりの花が咲き乱れ、 小鳥たちがさえずるようになった。 ![]() 幼い少女のエプロンにも、 ずっしりと重たい刺しゅうが重ねられている。 太陽のように明るい黄色に、赤いバラが咲くヴィンテージプリント。 ![]() 実はカロタセグ地方では、リメイクがごく自然に行われている。 破れたり、古くなったりしたエプロンの刺繍の箇所だけを切りとって、 新しく仕立てたエプロンに縫いつける。 ウール糸の端正なスモッキング刺繍は、 おそらく20世紀はじめ頃のものだろう。 ![]() あらかじめサテンステッチでびっしりと縫われた刺繍糸のベースに、 さらに刺しゅうのモチーフが重ねられる。 ひとつ、ひとつが紋章のようにきらめき、 あざやかな個性を放ちながらもひとつの作品として呼吸をしている。 ![]() いちばん古いエプロンは、 黒地の厚いサテンコットンだった。 まだ農村で作られた麻やリネン生地よりも、 工場で作られた既成の布のほうが貴重だった時代。 民俗衣装は、その時代時代の価値観を強く反映しているといえる。 ![]() 布のつなぎ目に沿って、 色とりどりの刺しゅうのモザイク模様が 細やかで立体的な黒いプリーツの上にうつくしく映える。 3つのつなぎ目のあるエプロンは、珍しい。 ![]() その小さな刺しゅうのキャンバスに、 名もないアーティストの精一杯の表現が見られるでしょう。 そして、それを着る女性たちの、 時にひかえめで時に大胆な自己主張が見られることでしょう。 伝統という厚い壁に囲まれながらも、 その個性は生き生きと自由であったかつての農村の暮らしが垣間見えるようです。 ![]() 真冬日のつづくトランシルヴァニア地方ですが、 今夜は、お部屋に色のスパイスをふりまくような、 ポップな赤のファブリックを特集します。 赤い刺しゅうステッチのようなテーブルセンターに、 バラと鳥のレースの繊細さとポップなファブリックがMixされたカーテン、 紅色のお花畑のロングカーテン、 小花とななめ格子のベッドカバーなど・・。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 春いちばんに ポップなレッドカラーを取り入れてみませんか? 東欧雑貨ICIRI・PICIRI ![]() トランシルヴァニアの東端にあるハンガリー村。 ハルマージ村の中心にある、小さな郷土博物館。 20世紀の長い歴史を生き残ってきた、 最後の古い品々を村人たちがもちよってできた展示室です。 ![]() 古い家具に刺しゅうのタペストリー、 ひとびとの生活を彩ってきたあらゆるものがその空間を 過去の世界へといざなってくれます。 水玉のリボンがふんわりとかかる麦藁帽子。 労働する女性をうつくしく見せる、魔法の小物。 ![]() 糸を巻くスピンドルにも、赤と緑のしま模様でおめかしされます。 あらゆる生活の品を自分たちの手で生み出してきた、 人々の知恵の偉大さ。 ![]() 古い鏡のうしろには、 40年代に流行したイラストの刺しゅうタペストリーが見られます。 ロマンティックな詩の言葉と場面が、 たどたどしい少女の指先からステッチとなって布に刻まれています。 ![]() 真っ白な花とレースのボンネットは、 まるで永遠に色あせない無垢さを表すかのよう。 都市ブラショフに近いこの地方では、 100年前からすでに既成の布を使い、 都会の洗練されたファッションを取り入れていました。 ![]() バルツァシャーグと言われるこの地方の、伝統的なブラウス。 襟や胸元、袖やカフス部分にほどこされた赤いクロスステッチ模様は、 調和のとれた美しさをたたえています。 ![]() 少女のために母親が作ってあげたのでしょうか。 ドロンワークのクッションに横たえられた人形からは、 母の愛をいっぱいにうけた少女が、 そのやさしさを注いだ跡がうかがえるようです。 ![]() 1910年の年号入りのロングクロス。 貴族刺しゅうへの憧れが感じられる、青い花束の刺繍。 古くから教会や貴族の屋敷を彩ってきた、洗練されたデザインに、 いかに彼らが流行に敏感だったかがわかるでしょう。 ![]() ブラショフで作られた、ラーダと呼ばれる衣装たんす。 花模様のそれは、特に「チューリップのラーダ」と呼ばれています。 ペイント家具の深い色の混ざり合い、 さまざまな花が入り交ざりながらも文様化している、 その巧みなデザイン性にあっとため息がつきます。 100年前は各地で見られたこのペイント家具も、 現在ではほとんどその伝統が受け継がれていません。 ![]() 鮮やかなサテンステッチの花模様にデコラティブなモノグラム、 甘く香ってくるようなレースの枕カバー。 ![]() トランシルヴァニアの東の果てに これだけの繊細な文化の足跡がのこっていたことに驚かされます。 当時この地方は、ハンガリー帝国の豊かな地方でした。 これからの古く美しい品々のすべてが、 100年前のこの村の美意識や歴史をそのままに物語っています。 ![]() 少しずつ太陽の光が、長く大地を照らしはじめます。 今夜の特集は、あたたかな陽だまりのような黄色やオレンジ色の ファブリックが勢ぞろいします。 ギンガムチェックと赤いお花の布団カバーに、 白いマーガレットのクロス、 白い毛糸のフリンジつきミモザ色のお花のカーテン、 フォークロアの花模様と中世のお城のリネンクロスなど・・・。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 一足先に春のぬくもりをお届けします。 東欧雑貨ICIRI・PICIRI ![]() 黒いウール生地に、細くかがやくシルクの糸。 赤いカーネーションと子鳥、星が整然と並んでいます。 ![]() サテンステッチのカーネーションは、 花びらの間に白とオレンジが入ることで印象が変わります。 小鳥の尾羽は、赤、青、オレンジ、紫・・・。 ハンガリー人の間では、二羽の鳥は愛のシンボルとして使われてきました。 ![]() チェーンステッチの波模様、 赤と緑はハンガリーのトリコロールの色。 大きい曲線のうねりからつぼみとカーネーションが生まれています。 角には、チェーンステッチのチューリップと ふたつのロゼッタ(回転するバラ)の模様が見られます。 ![]() 厚いウール生地に刺しゅうされた、繊細なシルク糸。 装飾における一定の法則性をもちつつも、 生き生きとした感性で描かれた花や鳥の世界は、 身にまとう女性の後姿をさらに輝かしいものにしています。 ![]() よく似たスタイルのものに、ムスイの刺しゅうがあります。 ウールの重たい裏あて布をひっくり返してはく、 いわゆるオーバースカートですが、 19世紀終わりごろその裏側には鮮やかな刺しゅうがされるようになりました。 ![]() ここでも、幅広の空間を存分に使って、 波模様と花、鳥のモチーフが生き生きと刺しゅうで表現されています。 厚いフェルトと繊細なシルク糸の組み合わせ、 時に繊細で時におおらかなステッチの妙、 そして愛らしく、自由なモチーフの世界・・・。 それは、何十年を経た今も、私たちを恍惚としたメルヘンの世界に誘うようです。 ![]() ルーマニアとハンガリーから、古い手芸の本がたくさん入荷しました。 その中の一部をご紹介します。 ![]() モルドヴァ地方の伝統刺しゅうの図案集。 ポップなデザインの表紙は、刺繍の革ベストのデザインからとったもの。 ![]() ブラウスやクロス、じゅうたんなどから選ばれた図案が、 カラフルに色づけされて、多数収録されています。 基本のステッチがたくさん図解であるのも親切です。 ![]() 日本でも人気のルーマニア・マクラメの本。 コードの編み方から、さまざまなモチーフの作り方、 パターンなどが紹介されています。 こちらは、60年代の古い本です。 ![]() Ceres社の手芸シリーズからは、 洋裁の本がいくつか入荷しています。 採寸の仕方から、裁断、基本の縫製の仕方まで説明がされてあります。 そして80年代の時代を感じさせるファッション写真からは、 忘れていた新しい発見がありそうです。 ![]() ハンガリーのフォークアート研究家、レンジュエル・ジュルジの本も いくつか入荷しています。 黒の表紙に、カラフルなシルク糸のサテンステッチが印象的な表紙、 「ハンガリーの農村の手芸の本」。 ![]() 有名なカロチャ刺繍からマチョーの刺繍、 大平原のフェルト細工に、カロタセグのイーラーショシュなど・・。 ハンガリー文化圏の多種多彩な手芸の文化を幅広く紹介しています。 各種ステッチの図解が載っています。 ![]() トランシルヴァニアの蚤の市からの、 アンティーク、ヴィンテージのクロス類も入荷しました。 手織りのコットンのロングクロス、 ブドウと房をかたどった立体的な織りは30、40年代の流行を表しています。 縁には、手編みのレースがいろどります。 絵付けのプレートを間にはさんで飾ると、 ぐっとルーマニアらしくなります。 ![]() 懐かしいチェック柄に刺繍がされた、手作りのエプロン。 おおらかなステッチが、いかにもお嬢さんの刺繍の手習いといった感じで、 あたたかみがあります。 ステッチ部分が4つ、ポケットに仕立ててあります。 ![]() 手紡ぎの麻糸を使った、手織りのロングクロス。 かつて嫁入り道具として、麻の手織りのタオルが重宝されました。 黒いボーダー模様はよく見ると、ひし形のモチーフが織られています。 モノグラムが刺繍されたところに、生活感がにじみ出ているようです。 ![]() 粗い麻布に毛糸でクロスステッチされたタペストリー。 2つのちょうちょと白いお花、フルーツバスケットの4タイプがあります。 裏には厚紙が張ってあり、引っ掛けもかぎ編みで作ってあります。 おばあさんのかわいらしい創作心が見られる作品です。 ![]() あたたかなウール刺繍のカーテンは、 中世風のデザインと落ち着いた色合いに重厚感がただよいます。 ![]() 大きなウールのタッセルのついた、ロングタペストリー。 赤いお花のウール刺繍のステッチが連なっています。 ![]() トランシルヴァニアの手芸のお店、 FOLK ART Transylvania ![]() 初春のこの時期に、 一足先に春の風が感じられるようなファブリックを集めました。 春一番にもちたいバッグや着たい洋服、 ソファーにかけたいクッションやカバーなど。 どんなものにでも形の変えられる、ただの布たち。 パステルブルーのわすれな草色の花畑に、 鮮やかなコーラルピンクの波模様、 あたたかなカナリヤイエローの光の王国に、 茶色と黄金色のオーバルもよう・・。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ICIRI・PICIRIのファブリックが、 春一番の風を運んできそうです。 今夜もどうぞお楽しみに。 東欧雑貨ICIRI・PICIRI ![]() 新年を迎えたザラーン村で、 年が明けてはじめての買い物をしました。 友人の家の床に敷かれていた、 かぎ編みのマットがずっと気になっていました。 聞いてみると、お隣にすむ80いくつのおばあちゃんが作ったとのこと。 何でも働き者のおばあちゃんは、 秋になるとローズヒップの実を集め、 プレスしてジュースを作って村の人たちに分けているそうです。 おばあちゃんは納屋の方から出てきました。 部屋に通されると、 外の凍りついた空気が一気に部屋のぬくもりで溶けだすようです。 そして部屋のあちこちにイーラーショシュ刺しゅうやクロスステッチ刺しゅう、 色鮮やかな裂き布で作ったマットレスが所せましと並んでいます。 椅子用クッションは、寒いトランシルヴァニアでは欠かせないもの。 さりげない色の組み合わせに、 おばあちゃんの芸術センスがぎゅっと凝縮されているようです。 ![]() かごの中には、裂かれた巻き糸がいっぱいでした。 そこからひとつ太い糸をとりだすと、 木の鍵棒をつかって編みこんでいきます。 働き者のおおきな手には小さすぎるほどの鍵棒。 「昔からこればかりを使っているの。」とすこし恥ずかしそうにいいました。 いろいろな素材や色が組み合わされて、 おばあちゃんのしわしわの手によって丸く大きな円につなぎ止められてゆく・・。 ![]() 新年のはじめのお買い物には福がくると言われています。 家に無造作に敷かれた作品をひとつひとつ眺めて吟味し、 オーバル型の大きなマットレスを選びました。 それを居間に敷き、手で触れるとき、 あのしわしわのおばあちゃんの手を思い出します。 ![]() 今年は、どんな人や手仕事との出会いがあるのか楽しみです。 次回は子ども部屋にぴったりのファブリック。 フルーツや動物、乗り物に人など・・。 イマジネーションを刺激するような、楽しいデザインのものが勢ぞろいします。 野ウサギと春の野原のロングクロスに、 満月とフクロウの親子のリネンクロス、 パステルカラーのイチゴのリネンタペストリーに、 キノコのタペストリー風カーテン、 乗り物のロングカーテンなど・・・。 ヴィンテージカーテン、クロスをほどいたファブリックを詰め合わせた、 一年のはじめの福袋も用意してお待ちしております。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 子ども部屋にぴったりのファブリックで、 新しい年を迎えてみませんか? 東欧雑貨ICIRI・PICIRI ![]() 大晦日の日、冬の祭りの熱狂にひかれて 今年もモルドヴァ地方へ向かいました。 町中がパレードでにぎわう町、ダルマネシュティ。 本物のクマの革をかぶった人たちは、 真っ赤な毛糸のタッセルを揺らし、 汗だくになりながら踊り続けます。 ![]() 真っ白な雪の精たちは、 鮮やかな赤のスカートをひらめかせ、 ホイッスルのリズムに合わせてくるくると舞います。 その赤は、鮮やかに情熱的に 一年の終わりの思い出としてまぶたに強く焼きつきました。 ![]() 新年明けまして、 おめでとうございます。 今年もトランシルヴァニアから、 どうぞよろしくお願いいたします。 ![]()
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